【王義之:集字聖教序 般若心経】


 これは 中国・東晋の 書聖・王義之(303-361)「集字聖教序」 の中の 「般若心経」 の部分です。 この 集字聖教序は、 唐の僧・玄奘三蔵(602-664)が 印度より仏典を招来し漢訳した功績を讃えて、 太宗皇帝と高宗の撰文、褚遂良(596-658)の書を刻した 「雁塔聖教序」 が元の碑で、 その約20年後、僧・懐仁 が、そこに更に 太宗の 「答勅」 や 「般若心経」 等を増補し、王羲之の書を集字して刻した碑 で、これも “行書の手本” として大変人気の高い法帖です。[説明/解釈例] [練習書例]


拓本
 【右】 般若 波羅蜜多心経  観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時
     はんにゃ はらみたしんぎょう   かんじざいぼさつ ぎょうしんはんにゃはらみたじ
 【左】 照見五蘊皆空 度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即
     しょうけんごうんかいくう どいっさいくやく  しゃりし   しきふいくう  くうふいしき   しきそくぜくう くうそく(ぜしき


拓本
 【右】是色 受想行識 亦復如是 舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増
    ぜしき  じゅそうぎょうしき やくぶにょぜ しゃりし  ぜしょほうくうそう ふしょうふめつ ふくふじょう ふぞう(ふげん
 【左】不減 是故空中無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触
    ふげん ぜこくちゅうむしき むじゅそうぎょうしき  むげんにびぜっしいんい むしきしょうこうみそく(ほう


拓本
 【右】法 無眼界 乃至無意識界 無無明 亦無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽
    ほう むげんかい ないしむいしきかい むむみょう やくむむみょうじん ないしむろうし やくむむろうしじん
 【左】無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 心無
    むくしゅうめつどう むちやくむとく    いむしょとくこ    ぼだいさった  えはんにゃはらみたこ  しんむ(けいげ


拓本
 【右】罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切 顛倒夢想 究竟涅槃 三世諸仏 依般
    けいげ  むけいげこ  むうくうふ   おんりいっさい てんどうむそう くきょうねはん さんぜしょぶつ えはん(にゃ
 【左】若波羅蜜多故 得阿耨多羅 三藐三菩提 故知般若波羅蜜多 是大神呪 是
    にゃはらみたこ    とくあのくたら さんみゃくさんぼだい  こちはんにゃはらみた  ぜだいじんじゅ  ぜ(だい


拓本
 【右】大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多
    みょうしゅ  ぜむじょうしゅ  ぜむとうどうじゅ  のうじょいっさいく しんじつふこ  こせつはんにゃはらみた(しゅ
 【左】呪 即説呪曰   羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧 羯諦 菩提 薩婆 訶(掲=羯、般=波、莎=薩、呵=訶)
    しゅ そくせつじゅわっ  ぎゃーてーぎゃーてー はーらーぎゃーてー はらそうーぎゃーてー ぼーじーそーわーか


拓本
【左】弘福寺 沙門 懐仁 集 晋 右将軍 王義之書  【右】般若心経(はんにゃしんぎょう)



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